中学生になると、他の小学校から男子が入学して人数が増えたせいで、イジメがさらにひどくなりました。
担任の先生に相談しても、
「たしかに君は今苦しんでるかもしれないが、世の中には君より苦しんでる人がたくさんいるのだから、その程度で文句を言う理由にならないぞ!」
「それに生きてる限りこういうことはたくさんあるし、毎日こうして生きているだけで幸せなんだから、そんなぜいたくなワガママを言ったらマトモな人間にならないぞ!」
私はただ助けを求めただけなのに、なぜか話をすり替えられそのまま説教されたので、二度と担任の先生に相談するのをやめました。
ただしこれは私に起こった災難の1つにすぎませんでした。
理由は部活の先輩から嫌がらせが始まったからです。
入部してすぐに1人の先輩に右うでを引っぱられ、そのまま体育館の外のうす暗い場所に連れていかれました。
そして先輩は私にこう言いました。
「君は私の後輩なんだから逆らっちゃダメなんだよ」
私は部活に戻って練習したいと言い、先輩の手を無理やりはなそうとすると突然強い力で私のうでを強くしめ上げ、低い声でこう言われました。
「これ以上私を怒らせるとどうなるのか、体で教えてさしあげましょうか?」
この言葉を聞いた私はあまりの恐怖に、頭がまっ白になってしまいました。
そんな私の様子を見た先輩は、
「やっと私の言うことを聞いてくれる気になったのね。でも私を怒らせたらどうなるか分かるよね?」と優しい声で言われました。
そのときの私は、先輩を怒らせたら殴られると思ってしまったので、殴られたくないという理由だけでおとなしく従ってしまいました。
パワハラの内容とは、先輩の愚痴を毎日聞かされることです。
いろいろな愚痴を毎日聞かされますが、1つだけ何度も聞かされた愚痴があります。
その内容とは、
「本当は美術部に入りたかったけど、部活を変えると高校に入学できなくなるから、仕方なくこの部活に入っているの」と何度も言われました。
先輩は私に相談に乗れと言うので断ると、
「私がこんなに困っているのになんで断るの?」と急に怒られました。
「後輩ならどんな手を使っても、先輩を助けようと考えるのが当然でしょ?」
「分かったら返事くらいしなさいよ!」とヒステリックにキレるのですが、右うでが強くつかまれていて逃げられませんでした。
同じ内容の愚痴を毎回聞かされる私からすれば、またかよという感情しかありませんでした。
セクハラはパワハラより少なかったですが、それ以上にイヤな思いをしました。
その内容とは、
先輩と2人きりで性教育を受けるというとんでもない内容だったので、私は全力で断りました。
ですが先輩は、
「これは貴重な機会なんだから、ぜひ受けさせてくださいと言わないとダメなんだよ!」
「それでもイヤと言うなら、無理にでも受けてもらうからね!」と私は無理やり性教育を受けさせられました。
その性教育の内容とは、
「私と君の体の中には卵巣というものがあって、それはあなたのここにあるんだよ。」と言って突然私のおしりをなでてきました。
私は「セクハラはやめてください!」とさけび逃げようとしましたが、先輩に右うでをつかまれていて逃げられませんでした。
それに対して先輩はとんでもないことを言いだしました。
「セクハラというのは、男性が嫌がる女性の体を無理やりさわることを指すんだよ。」
「私はあなたと同じ女性だから、これはセクハラじゃなくて立派な性教育なんだよ。」
そのまま先輩は私の右うでを強くつかみ、逃げられないようにしてから私のおしりをなでるので、正直恐怖しかありませんでした。
これは誰がどう考えてもヤバい変態なので、早く逃げなきゃと頭では分かっていましたが、
右うでを強くつかまれ逃げられず、先輩を怒らせたら殴られると思ってしまい、私は怖くて抵抗1つできませんでした。
先輩が部活を引退するまで毎日パワハラとセクハラされたので、当然部活の練習ができずバドミントンが全くできないまま、中学2年生になってしまいました。
部活の先輩たちが引退して、やっと変態から解放されたと思えば、今度は後輩にバドミントンを教えるという新しい問題が起きました。
私は先輩に部活の練習させてもらえず、パワハラとセクハラのせいで、バドミントンが全くできないポンコツになりました。
そのせいで、バドミントンが全く出来ない私のことを後輩が見下してきたので、やっと変態から解放されたのに毎日が憂うつでした。
「先輩に毎日パワハラとセクハラされたせいで、練習させてもらえずバドミントンが全くできなかった」なんてはずかしくて言えなかったので、ただ黙ることしかできませんでした。
なので早く部活を引退したいと考えながら過ごしていたので、当然部活が楽しいワケがありません。
3年生になって引退できたので、やっとイヤな部活から解放されて正直うれしかったです。
そして卒業式をむかえ同級生たちは泣いてましたが、私は仲のいい友達はいないですしむしろ9年間イジメた男子たちから逃げられるので、全く悲しくありませんでした。
私が高校生になったら、おだやかで人なみの幸せがほしいなとつい考えてしまうくらい、青春という存在に強くあこがれていました。
精神はすっかり病み、友達の作り方も人とのかかわり方も会話のしかたも一切知らないのに、そう願わずにはいられませんでした。
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