ブラック飲食店から農業に転職21才で第2の人生を歩む

 

 

私が再就職した障がい者施設は、大きな農場で多くの種類の野菜を育てていて、そこで収穫した野菜で加工品を作る職場でした。

 

 

ナス畑 511×340

 

 

ただし加工品を作るのは冬のみであり、それ以外は畑で働くのでどうしても力仕事が中心になります。

 

 

 

・気温50度以上のビニールハウスの中で野菜の苗を育てる

 

・野菜の苗を畑に植える

 

・草かり機が使えない場所に生えている雑草を手でぬく

 

・防草シート(50m)を20cmのピンで刺して止める

 

・雨の日はレインコートを着て仕事する

 

・収穫した野菜が40kg以上入ったコンテナを2人で運ぶ

 

 

 

これが主な仕事内容になり、冬になると収穫した野菜を使って加工品を作るのが、1年を通しての作業になります。

 

 

たしかに体力の少ない私に農作業は大変でしたが、私は今でもここに就職してよかったと思っています。

 

 

その理由は、私が今まで信じていた常識が間違っているという事実に、初めて気づけたからです。

 

 

 

・女性はつねに男性に暴力をふるわれない努力をする

 

・相手の頼みを絶対に断らない

 

・相手を絶対に怒らせない

 

・人間扱いしてもらうにはそれ相応の努力をする

 

 

 

今では絶対ウソだと分かる内容ですが、当時の私にとってこれが常識でした。

 

 

これは全部学校で教わった常識なので、何の疑いもなく普通に信じてました。

 

 

なのでここで働いたばかりの私は、毎日こんなことをしていました。

 

 

 

・同じ職場の男性を冷たくあしらう

 

・出来なくてもやりますと言う

 

・自分の考えは絶対言わない

 

・みんなの役に立つことだけを考えて行動する

 

 

 

私はこれらを、人間扱いさせてもらうための当然の義務だと思っていたので、一度もイヤだと思ったことはありません。

 

 

今まで信じていた常識が全部ウソだったという衝撃の事実

 

 

そんなある日、私は1人の女性職員に呼ばれました。

 

 

職員とは、障害者施設で働く利用者(従業員)を管理して、働きやすくなるようにサポートする立場の人のことです。

 

 

私が呼ばれた理由は面談するためで、主に仕事で困ったことや体の調子などを聞くためです。

 

 

他にはこんな質問をされました。

 

 

「指示しないと何もしない理由」

 

「できない仕事を断らない理由」

 

「男性にだけ冷たい態度を取る理由」

 

 

正直私はなんでそんな当たり前のことを聞くのかなと、疑問に思いながらそれぞれ答えました。

 

 

「指示があるまで勝手に行動してはいけないから」

 

「人の頼みは絶対に断ってはいけないから」

 

「男性を怒らせたら何されるか分からないから」

 

 

そのあと女性職員は「どうしてそう思うのですか?」と聞かれましたので、
私は「常識だからです」と答えました。

 

 

すると女性職員に、
「今の話が常識とはどういうことですか?どこの誰にそんなウソを教わったのですか⁉」と逆に質問されました。

 

 

ここで初めて私は、今までずっとウソの常識にダマされていたという事実に、気がつきました。

 

 

そして面談が終わるころ、私は女性職員にこんなことを言われました。

 

 

「もし誰かに暴力をふるわれたら私に助けを求めてください」

 

「できないことは無理せず他の人にやらせてください」

 

「指示した仕事が終わったらまわりの人を手伝ってください」

 

「もし勝手にやっていいか迷ったら私に聞いてください」

 

 

女性職員の言っていることは、私の知っている常識では考えられない内容だったので、ハッキリ言って困惑しかありませんでした。

 

 

なので私は急に正しい常識を全く知らないことが、はずかしいと思ってきました。

 

 

ですが女性職員は、
「ここでは常識を覚えるのに、苦労している人が多い職場ですので大丈夫ですよ」と言われました。

 

 

そして、
「ここで常識を学んで、一般の会社に就職した人もいますので、それを目標にがんばるのはどうですか」と提案までされました。

 

 

ただし学校で教わったウソの常識による考え方が体にしみ付いているせいで、少しでも気を抜くとすぐ元に戻るので、正しい常識を覚えなおす努力は農作業以上に大変でした。

 

 

農作業は難しいことを考えず、言われた通りにやるだけなので正直そのほうが楽でした。

 

 

ただし小学生のころのトラウマのせいで、男性が苦手なのは変わらないので、男性に話しかけることだけはできませんでした。

 

 

なので私の近くに男性がいるだけで調子が悪くなるので、普段より精神薬を多めに飲みながら仕事をしました。

 

 

それでも力仕事が多い農作業は、前の飲食店とは比べものにならないくらい楽でした。

 

 

なぜなら1日の労働時間は半分以下で休みは月8日あったので、健康状態がよくなり体重は増えて、大きく浮き上がったろっ骨はだいぶ小さくなりました。

 

 

ただし1人の女性のせいで、毎日仕事に強いストレスを感じていました。

 

 

迫りくる二重人格暴力女の恐怖

 

 

その女性は、おだやかな性格と暴力的な性格が1日に何度も変わる怖い女性でした。

 

 

暴力をふるう相手は毎日変わり、たとえ相手が大柄な男性だろうとケガさせるくらい凶暴な性格だからです。

 

 

この女性のせいで私は精神が不安定でしたが、正しい常識を教えてもらえるこの職場をやめたくないと思ってました。

 

 

ですが、毎日この暴力女におびえながら仕事をするのはイヤだったので、この会社から逃げるために早く副業でお金を稼ぎたいという感情もわきました。

 

 

その考えは正しかったのですが、副業選びに失敗したせいで多くのお金を失うことになるのです。

 

 

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8章…会社をやめたい一心で株取引に手を出す

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